ブログ説明


早穂理さんは、いのちの森「水輪」を造った塩澤夫妻の娘さんのお名前です。出産時に分娩の医療ミスにより、脳に傷をつけてしまいました。
早穂理さんは歩くことも、話すことも、自分の手で食べることもできませんが、心はみんな解っているようです。そんな早穂理さんの毎日を紹介させて頂きます。
ご感想・お問合せは、メール suirin@suirin.com までお願いいたします。

2018年4月22日日曜日

2018/04/22 歯医者さん・歯科衛生士さんが来てくれました。


今日は歯医者さんが来てくださいました。
きたながの歯科医院の岡澤さんと歯科衛生士の大宮さんが来てくれました。
最初、さおりさんは、これから何が起きるんだ!?というような若干不安そうな顔でしたが、
顔のマッサージが始まると気持ちがいいのか、なんだか嬉しそうでした。
顔のマッサージは、私たちがやろうとすると、どうしてもさおりさんは嫌がってしましますが、
歯医者さんによると、顔のマッサージは、声を出しやすくするためにも、
とても重要なので、多少嫌がってもやっていくうちに慣れてもくるので、やってあげたほうが良いですよ、と言われました。
マッサージの後はいよいよ歯の検診です。
ライトがまぶしいので、と、目をタオルで隠されるとさおりさんはびっくりしてタオルを振り払おうとしましたが、
その手はしっかりとみどり先生が握ってくださいました。
みどり先生は、手を揉むようにマッサージしてあげなさいと私たちに指導してくださいました。
さおりさん、虫歯になっていないかな、とドキドキでしたが、
結果は、「とても綺麗です。問題ないですね」との事でした。
毎日よく歯磨きしているおかげです。
歯茎もとても綺麗ですと褒められました。
最後は、また顔のマッサージをしてもらって終わりました。
歯医者さんはとてもさおりさんのことを気にかけてくれて、笑顔でさおりさんに話しかけてくれていました。さおりさんもなんだか嬉しそうでした。
きたながの歯科医の岡澤さん、歯科衛生士の大宮さん、ありがとうございました。

2018年4月13日金曜日

2018/04/13 さおりちゃんは毎日どんな事を感じているのだろう

さおりちゃんは毎日どんなことを感じているのだろう…。
私たちが当たり前に出来て、さおりちゃんには出来ないことがたくさんあります。
私たちは、その苦しさ、そしてそのことを当たり前に出来ているありがたさをかみしめて、さおりちゃんの気持ちを常に考えてケアをさせていただいています。

さおりちゃんは気管切開をしています。
首にはカニューレという器具とレティナという器具を使い分けて付けています。
カニューレは、付けていることによって自動呼吸ができる器具です。
寝ている時などに着けます。
レティナは器具から吸って鼻から吐くという器具です。
レティナがなければさおりちゃんは声を出すことができません。
気管切開をする時に、みどり先生と研先生は、さおりちゃんは声を失うんだととてもショックを受けたそうです。
でもレティナという器具のおかげでさおりちゃんは今も声を出すことができます。

このカニューレとレティナを使って私たちは呼吸してみました。
カニューレとレティナ、どっちの方が楽かは意見が分かれたのですが、どちらにも共通なのはとても苦しいということ。
小さい穴でしか息を吸えない苦しさで、長くつけていることはできませんでした。
さおりちゃんは呼吸するのがこんなに苦しいのか、と驚き、私たちが普段あたりまえに呼吸できていることってとても幸せなんだと思いました。

ケアをしているスタッフは鼻チューブとオムツの体験もしたと言っていました。

鼻チューブは丸2日間付けており、学んだことは
ずっと付けているのは痛いから、さおりちゃんも鼻チューブを付けている時間はなるべく短い時間にしてあげてい、鼻チューブを付けていると喉が痛くて食べ物も水も飲みこむのが痛くてできない、鼻チューブから冷たい水を入れると胃に入ったときに冷たさが感じられて痛い、だからさおりちゃんにも冷たい水はだめだ(さおりちゃんの水はその都度冷たい水を鍋で10秒くらい温めるか、湯せんしています)
鼻チューブをとる時にいきなり速く抜いたら痛くて涙が出た、だから鼻チューブを抜くときはゆっくり抜いてあげなきゃいけないということです。
毎日3食鼻チューブを通してるさおりちゃんは本当に強いなあ、えらいなあと思ったと言っていました。

オムツをして過ごした時は排泄した後、そのまま料理作りを行なおうとしたら、下半身の気持ち悪さに耐えられなくてすぐにオムツを変えた、だからさおりちゃんもオムツはすぐに取り換えてあげないと、すごく嫌な気持ちなんだな、さおりちゃんは変えてほしくてもそれを言葉で伝えることができないから、私たちがちゃんと気付いてあげないといけない、と改めて思ったと言っていました。

ケアをしていても、本人の苦しさがわからなければ、本人の気持ちがわからない。
私たちは、さおりちゃんができなくて苦しいことを、さおりちゃんの手になり足になりやってあげたい。
さおりちゃんの体験をするということは、ケアの私たちにとって、とても重要だと思います。
さおりちゃんが何を訴えているのかを、すぐにキャッチできるように、これからもさおりちゃんの心の声に耳を傾けていきたいと思います。

2018年4月12日木曜日

2018/04/12 さおりちゃんの歯磨き



今日はさおりちゃんの歯磨きについてご紹介します。

さおりちゃんの歯はとても綺麗です。
てんかん薬である、抗痙攣薬を打つと多くの人が歯茎が膨れるのですが、
さおりちゃんは1歳からずっと磨いていて歯茎もとても綺麗だと褒められます。
毎日毎日1回も欠かさず43年間磨いてきました。
そのせいか、口の中はとてもいい状態です。

さおりちゃんは朝・昼・晩の3食のご飯前に必ず歯磨きをします。
さおりちゃんは口から食事をすることはできませんが、必ず3食歯磨きをします。

何故かというと、普通、人は食べ物を見たり、
匂いを嗅いだりすることで自然と唾液が出ます。
唾液が出ることで胃が消化を助けます。
しかし、さおりちゃんのように自分でものを食べれない子は唾液が出てきません。
そのまま鼻チューブを入れて食べ物を入れると、唾液がないために、
食べ物が逆流し、それが肺に落ちる可能性があります。
食べ物が肺に落ちて肺炎になってしまうと大変です。

そのために歯磨きをしてあげて、歯に刺激を与えることで唾液を出させてあげるのです。
このことは、さおりちゃんの歯を見てくれる口腔ケアの方に教わりました。
ですが、私たちは、口腔ケアの方にその事を教わる前に、
3食さおりちゃんに歯磨きをしていたのです。

さおりちゃんが虫歯になったり、口臭を防ぐために歯磨きをしていました。
歯磨きをしている時もさおりちゃんのことを1番に思って行っています。


さおりちゃんの歯磨きのやり方は、

綺麗に洗った歯磨き専用のカップを使用前の歯ブラシを入れる用、
使用後の歯ブラシを入れる用、
カテーテルを入れる用の3つ・波動水(さおりちゃんの場合)・
口用スポイトを用意します。
歯ブラシ前・後入れる用には湯冷ましを歯ブラシがつかるくらいまで入れます。
なぜ湯冷ましかというと、水道管を通ってきた水道水をやかんで沸騰させることによって、
水道水より、更に消毒されたものを使うためです。

そしてさおりちゃんに「歯磨きするよ~」と話しかけ、
そっと口を指で開けて歯茎を撫でるようにマッサージします。
手の菌が口に入らないよう、手袋をして行います。

歯茎のマッサージのあと、歯を優しく、しっかり磨きます。
歯の裏側なども磨きます。
私たちは普通の歯ブラシの他にもう一本手術用の柔らかい歯ブラシを使っています。
丁寧に歯を磨いた後はすすぎます。

さおりちゃんは研先生が舌ブラシを買ってきてくださったので舌も磨いています。
うがいができないために、口用スポイトで波動水を口に入れ、
口から水がこぼれないよう吸引機でカテーテルでその水を吸います。
この時、水が喉に入るのを防ぐために喉にはタオルを敷いておきます。

最後に口をタオルで拭いたら終わりです。


歯磨きはさおりちゃんも最初は嫌がっていました。
嫌がっているのに無理やりやったり強くして傷つけたりしてしまうと
それがトラウマでさらに歯磨きを嫌になってしまいます。
常にさおりちゃんのことを考えて、反応を見て、話しかけながら行うことで、
今は前に比べてだいぶ嫌がらなくなったとケアのスタッフの1人が言っていました。

4月の半ばに歯医者さんがさおりちゃんの歯を見に来てくれます。
ずっと綺麗な歯でいられるようにさおりちゃん一緒に頑張ろうね。

2018年4月9日月曜日

2018/04/09 最近のさおりちゃんの笑顔


最近さおりちゃんが笑顔をたくさん見せてくれます。
さおりちゃんの笑顔に、母屋にいるメンバーは皆幸せな気持ちでいっぱいになります。
月の周期でまわっているさおりちゃんの生活サイクルは、今は夜元気に起きていて、昼間に眠っているという状態です。
私たちは、夜に元気に起きているさおりちゃんを「よるまるちゃん」昼に元気に起きているさおりちゃんを「ひるまるちゃん」と呼んでいます。
今はよるまるちゃんです。
夜、深夜はさおりちゃんケアのスタッフ二人が起きていてさおりちゃんのケアをしています。
長年さおりちゃんのケアをしているスタッフの方が「昔よりもさおりちゃんは沢山話すようになった」と言っていました。
さおりちゃんはみんなと同じように言葉を話すことはできません。
でも私たちは、さおりちゃんと心を通じ合わせて、さおりちゃんの瞳、声、手足の動きを見て、さおりちゃんが何を伝えたいのかを受け取れるように常にさおりちゃんを想っています。
今日も一日、さおりちゃんと一緒にいれること、笑顔をみれることの幸せを皆で感じながら過ごしたいと思います。

2018/04/09 4月3日早穂理さんの誕生日



43日、水輪の原点である塩澤早穂理さんが43歳の誕生日を迎えました。
早穂理さんのことで皆様にご支援いただき、本当にありがとうございました。
皆様にその後の除脈の報告と、感謝とお礼の気持ちを伝えさせて頂きます。


除脈の報告遅くなりました。
みなさんありがとうございます。
早穂理さんの除脈が良くなりました。

皆様からの応援があり、お知恵を貸してくださったおかげで
早穂理さんはまた元気になってきています。

また、43日は、早穂理さんの43歳のお誕生日でした。
たくさんの贈り物をいただきました。

矢野みさこさん、太田すみさん、山下洋子さん,
メッセージカードをいただきありがとうございます。

みどり先生の20年来の友人であり、福岡山王病院、てんかん・すいみんセンター長の
重藤先生が九州から早穂理さんに会いにきてくださり、
アドバイスをいただき、てんかんの新薬であるピムパットという薬を寝る前に新しく飲んでいます。
そのため、以前より質の良い睡眠をとることができるようになり、
発作も少なくなりました。

愛和病院の山田先生のご紹介で内科・循環器内科の小谷先生にみていただき、
解析していただきました。

結果は、なんと現在、除脈はなく、不整脈も全然見られないとのことでした。
「エコー」もしていただいて、心臓の弁の動きを実際に映像で目にすることができました。
早穂理さんの心臓の弁はピョコピョコと元気に動いていました。
「心臓の動きは歳相応なので心配ない」とのことでした。

お父さんも、お母さんも、ケアに入らせていただいている私たちも、ほっと胸をなでおろしました。
なんとか、今年も元気に冬を越し、あたたかい春を迎えられそうです。

全国の皆様、本当にお祈りと、あたたかい応援、
励ましのお言葉をありがとうございました。

飯綱高原は、そろそろ、やっと雪がとけ黒々とした土が、白い雪の下から、ほっこりと顔を出し始めました。
冬のあいだ眠っていたいのちたちが、いっせいに芽を出し、心躍る春が、もうすぐ訪れます。
早穂理さんも春の訪れを心待ちにして、ナナカマドの窓の外をワクワクした目で眺めています。


報告  佐藤理恵